【今日も、おつかれさま】「雨の日のコンビニ」

コラム/インタビュー
 2026/06/21
【今日も、おつかれさま】「雨の日のコンビニ」

今日も、おつかれさま ― 暮らしの中の小さな物語 ― Vol.2

どこかの暮らしに、そっと寄り添う物語...

雨の日のコンビニ

夕方、仕事を終えて帰ろうとした時、高校生の息子から連絡が来た。

「迎えに来れる?」

珍しいことだった。

自転車通学なので、雨が降っても普段は自分で帰ってくる。


学校へ向かう車の中で、

何かあったのだろうかと少し気になった。

乗り込んできた息子はいつも通りだった。

「雨すごいな」

と言うだけで、特に何も話さない。

家まであと少しというところで、

「コンビニ寄っていい?」

と聞かれた。

珍しいなと思いながら車を止める。


数分後、息子はアイスを二本持って戻ってきた。

一本を差し出しながら言う。

「母の日、何もしてなかったから」

思わず笑ってしまった。

母の日はもうずいぶん前だった。

「今さら?」

「忘れてた」

息子も笑う。

車の中で二人並んでアイスを食べた。

溶ける前に食べなきゃと言いながら、結局少し垂らしてしまう。

家に着く頃にはアイスはなくなっていた。

特別なプレゼントではない。

でも、その日の雨は少しだけ悪くなかった。

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