【イケオジが巡る、なかつ再発見!】第2話|中津からあげの前では、誰も無力

大分県中津市コラム/インタビュー
 2026/11/08
※記事内の情報は取材当時のものです。

中津に引っ越してきた、ちょっとキザでどこか抜けている58歳の自称イケオジ・涼介。新しい街で名所や名物を巡りながら、中津の魅力を発見していく、笑えるショートストーリー。

第2話|中津からあげの前では、誰も無力


「からあげの聖地か。そこまで言うなら、確かめないとな」

中津の街を歩く涼介、58歳。今日も自信に満ちた表情だ。

中津市には、約60店舗ものからあげ専門店があるといわれている。かつて養鶏が盛んだったこともあり、からあげは地元の食卓に深く根付いてきた。

しかも、店ごとに味が違う。醤油や塩をベースに、ニンニクやショウガを効かせた秘伝のタレ。骨付き、骨なし、もも肉、むね肉と、部位によっても楽しみ方はさまざまだ。

「なるほど。これだけライバルが多いと、どこも腕を磨くわけだ」

涼介は妙に納得した。

「イケオジの世界も同じだな。日々の努力が大事ってことだ」

そして、揚げたてのからあげを前に腕を組んだ。

「ふっ。俺くらいになると、食べ方にも品格が出るんだよ」

まずは一個、優雅につまむ。


カリッとした衣の中から、熱々の肉汁がじゅわっと広がる。

「うまっ!」

思わず声が裏返った。

「いや、今のは……想像以上だっただけだ。もう一個、確認しよう」

二個目。三個目。

気づけば、さっきまでのキメ顔はどこへやら。目の前のからあげに全集中している。

最後の一個を食べ終え、満足げな涼介。

「ふっ、からあげごときで取り乱す俺じゃない」

そう言いながら、空になった袋をのぞき込んでいた。

「……あと300グラムは、いけるな」

涼介の足は、早くも次のからあげを求めて動き出していた。

イケオジも、からあげの前では無力。

 

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