中津城

中津城は、中津川の河口で周防灘に面する要衝に築かれ、堀に海水を引き込む「水城（海城）」として知られています。全国でも数少ない日本三大水城のひとつに数えられます。

現在の天守は昭和39年（1964年）に再建された模擬天守で、内部は「奥平家歴史資料館」として公開されています。館内は、白鳥鞘の槍や大名行列の資料、歴代城主の甲冑や火縄銃、長篠合戦に関する貴重な展示などが揃い、最上階の展望室からは城下町や海を一望できます。

また、天守のふもとには「黒田官兵衛資料館」があり、官兵衛ゆかりの甲冑レプリカやパネル展示が楽しめます。石垣も見どころの一つで、黒田氏と細川氏、それぞれの時代に築かれた石垣が並び、異なる築城技法を間近で観察できます。

城内には奥平神社（三所宮）をはじめとする複数の神社も祀られており、歴代の城主や藩士への敬意が息づいています。

中津城は、歴史と景観の両方を味わえる、訪れる人に中津の豊かな歴史文化を伝えてくれる場所です。