【中津市出身歌手 蘭華さん特別インタビュー】第二部「夢を仕事にするまで」

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 2026/07/10
※記事内の情報は取材当時のものです。
【中津市出身歌手 蘭華さん特別インタビュー】第二部「夢を仕事にするまで」

【第二部】夢を追い続けた先にー遠回りがくれたレコード大賞への道ー

高校時代は女子アナウンサーを目指していたという蘭華さん。しかし、高校3年生の冬、一つの出来事が人生を大きく変えます。

【中津市出身歌手 蘭華さん特別インタビュー】第一部「音楽の原点と中津での思い出」
【中津市出身歌手 蘭華さん特別インタビュー】第二部「夢を仕事にするまで」

「もしかしたら歌手になれるかも」高校3年生で変わった人生

音楽の道を本格的に目指そうと思ったきっかけを教えてください。

蘭華さん: 高校までは女子アナウンサーを目指していたんです。小さい頃からおしゃべりが大好きで、上智大学や日大芸術学部に進学してアナウンサーになるルートを考えていました。

でも高校3年生の1月、センター試験の直前に、通っていたカラオケボックスの店主さんから「大分県のカラオケ大会に出てみない?」と声を掛けてもらって。

出場してみたら入賞したんです。

その瞬間、「もしかしたら私も歌手になれるのかな」と思ってしまって(笑)。

今思えば勘違いだったのかもしれませんが、その勘違いのまま、ここまで来ています。

東京へ、そして北京へ。夢を追って選び続けた道

そこから進路も大きく変わったそうですね。

蘭華さん: はい。大学進学をやめて歌手を目指すことを決めました。

でも母は簡単には東京へ行かせてくれませんでした。中国にルーツがあることもあって、「語学学校に通うなら」という条件付きで上京したんです。

ところが目的はやっぱり歌でした。

イベントに通っているうちに出演する機会をいただき、学校よりも音楽活動に夢中になってしまって、実家に連絡が入ってしまいました。

今度は「中国へ留学するなら実家に帰ってこなくてもいい」という条件で北京へ。

ところが留学してわずか1か月で、北京大学近くの大きなクラブイベントのメインステージで歌っていたんです。

様子を見に来た母は、その姿を見て「この子には何を言っても無駄だ。我が道を行く」と思ったそうで、呆れていました。

歌手への思いを貫いた転機とは?

東京では、脚本の道に進むチャンスもあったそうですね。

蘭華さん: 実は、自分から脚本家を目指したわけではないんです。

歌手になる夢をあきらめたくなくて東京に残りたい。でも母は簡単には許してくれませんでした。そこで「シナリオを勉強するなら」という条件で、シナリオライターズスクールに通うことになりました。

半年ほど通った頃、講師として来ていたドラマプロデューサーの方と作品について話す機会があって、「今度、一緒に脚本を書いてみないか」と声をかけていただいたんです。

フジテレビの制作現場やNHKのスタジオを案内していただき、「育てたい」とまで言っていただいた、本当にありがたいお話でした。

でも、その頃も心の中にはずっと歌がありました。

「このまま脚本家になれば違う人生があったかもしれない。でも、やっぱり私は歌をやりたい」

そう思い、せっかくいただいたチャンスをお断りしました。

今振り返ると、その選択が「歌一本で生きていく」と決めた大きな転機だったように思います。

デビューまで10年。それでも諦めなかった理由

デビューまでの道のりは決して平坦ではなかったそうですね。

蘭華さん: 大手芸能事務所に所属した時、社長から「1年以内にオリコン20位に入るアーティストに育てるから」と言われたんです。

所属タレントの皆さんも第一線で活躍されている方ばかりだったので、その言葉を信じていました。

でも、1年経っても2年経ってもデビューの話はなくて、気づけば10年。

その間、後から入ってきた後輩たちがドラマや映画の主題歌に決まり、次々と活躍していく姿を見送る毎日でした。

高校野球で言えば、3年生なのにベンチにいて、1年生や2年生がレギュラーになって試合に出ていくような感覚でしたね。

夜も眠れず、朝方まで布団の中で泣いてしまうこともありました。

それでも辞めようとは思わなかったんですか?

蘭華さん: 何度も「辞めさせてください」とお願いしました。

でも、社長には本当にお世話になっていて、恩返ししたい気持ちが強かったんです。

父も経営者だったので、「社長が蘭華を何年も育てているのは七不思議の一つだ。でも、その恩は必ず返しなさい」と亡くなる前に話してくれました。

その言葉がずっと心に残っていて、「いつか結果を出したい、恩返しがしたい」という思いだけで踏ん張っていました。

結局、その事務所ではデビューできませんでしたが、退所した翌年にメジャーデビューが決まりました。

夢がかなった瞬間ですね。

蘭華さん: そう思っていました。

でも、デビューしたらすぐ売れる時代ではなかったんです。

SNSやサブスクが広がり、音楽業界も大きく変わっていって、デビューしてからも思うようにはいきませんでした。

それでも、自分にできることを一つずつ積み重ねてきました。

実は歌手を目指した頃は、「曲は誰かが書いてくれるもの」だと思っていたんです。

ところが当時のマネージャーから「これからの時代は自分で曲を書けないと生き残れない」と言われました。

作り方も分からなかったので、ボイスレコーダーを買って、鼻歌を何百、何千と録音して、Aメロ、Bメロ、サビを組み合わせながら少しずつ曲が書けるようになりました。

その積み重ねが、2016年に発売したファーストアルバム『東京恋文』につながります。

全曲、自分で作詞・作曲した作品でした。

その作品が日本レコード大賞企画賞を受賞するんですね。

蘭華さん: レコーディングを担当してくださったプロデューサーが、「この作品ならレコード大賞を狙える」と言ってくださったんです。

その言葉がずっと頭に残っていました。

ところが発売後、「レコード大賞ってどうやって応募するんですか?」と聞いたら、「今年は難しいと思うよ」と言われてしまって。

でも「狙える」と言われたなら、本当に狙いたい。

そう思って確認をお願いしたら、ちょうど締め切りの前日でした。

さらに音楽関係者から「新人賞で名前が挙がっているらしい」という情報が入り、急きょ企画賞へエントリーを変更することになりました。

結果、100組近い候補の中から企画賞を受賞することができたんです。

しかも受賞の知らせを受けたのは、中津でのイベント出演の日。

翌日の凱旋コンサートでは、故郷の皆さんに直接受賞を報告することができました。

あの瞬間は、今までの苦労が全部報われたような気持ちでした。

だから私は今でも、「これは叶えたい」と思ったことは、自分から動くことを大切にしています。

諦めずに小さな目標を一つずつ積み重ねていけば、いつか大きな夢にもつながる。

それが、これまでの音楽人生で学んだ一番大きなことですね。

「有言実行」が私を前に進ませてくれる

蘭華さんを支えてきた原動力は何だと思いますか?

蘭華さん: 私は「有言実行」という言葉が一番好きなんです。

誰かに「できるよ」と言われたり、自分で「やりたい」と思ったことは、できるだけ言葉にして、自分自身との約束にするようにしています。

もちろん、思い通りにいかないことの方が多いですし、遠回りばかりの人生でした。

でも、「これは叶えたい」と思ったら、そのために今できることを一つずつ積み重ねていく。

大きな夢だけを見ていると苦しくなってしまうので、小さな目標をクリアしながら前に進むことを大切にしています。

ファンの方から「この番組に出てほしい」「こんな場所で歌ってほしい」と言っていただいたことも、できる限り実現したいと思って動いてきました。

自分一人では叶えられないことも、マネージャーやスタッフ、応援してくださる皆さんの力を借りながら、一つずつ形にしてきた積み重ねが今につながっていると思います。

直感も大切にしています。

「これはご縁がある」「一緒に何かできそう」と感じた時は、その感覚を信じて飛び込んでみる。

そうやって選んできた道が、振り返るとすべて今の自分につながっていました。

これからも、有言実行の気持ちを忘れず、一歩ずつ前に進みながら、音楽を届け続けていきたいと思っています。

 

企画賞という大きな喜びも経験した蘭華さん。しかし、その先に待っていたのは、誰も予想していなかったコロナ禍でした。音楽活動が大きく制限される中、何を思い、何を歌い続けたのか。そして、最新アルバム『遺書』に込めた深い想いとは――。
第三部では、現在の活動とこれから描く未来について伺います。

 

シンガーソングライター 蘭華(らんか)

大分県中津市出身のシンガーソングライター。2015年にメジャーデビューし、作詞・作曲も自ら手掛ける。

2016年には、全曲の作詞・作曲を担当したアルバム『東京恋文』で第58回日本レコード大賞企画賞を受賞。人生や命、家族愛、平和への願いをテーマにした楽曲を数多く生み出し、全国でライブ活動を続けている。

現在はシンガーソングライターとしての活動に加え、他アーティストへの楽曲提供にも力を入れている。なかつ応援サポーターも務め、故郷への想いを胸に音楽を届けている。

[公式サイト] http://rankaweb.net/
[公式ブログ] http://ameblo.jp/rankaranka/
[公式X] https://twitter.com/ranka77
[公式Facebook] https://www.facebook.com/rankaranka
[公式Instagram] http://www.instagram.com/ranka0928/

ライブ情報

祇園最終日の7月26日(日)、寺町にある宝蓮坊(ほうれんぼう)で「お寺ライブ」を開催します。

落ち着いた空間で楽しむ特別なライブ。中津祇園を満喫したあとに、ゆったりと音楽に浸る時間を過ごしてみませんか。

遠方から訪れるファンも多く、祇園とあわせて楽しめる一日になりそうです。

中津祇園 お寺ライブ

  • 日時:7月26日(日)14:00開演
  • 会場:宝蓮坊(中津市寺町980・合元寺近く)
  • 料金:4,000円(税込)
  • 参加方法など詳細は公式サイトをご確認ください。

 

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