日田市複合文化施設AOSE(アオーゼ)内にある、市立博物館では企画展「小鹿田焼(おんたやき)のきせき」が開かれています。
施設内に入ってエレベーターで3階に向かうと…。
ずらりと並ぶ、花瓶や壺などの小鹿田焼の品々!
九州の焼き物のはじまりは、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に朝鮮半島の陶工たちを連れて帰ってきたことです。安土桃山時代に戦国大名らが「茶の湯」を楽しむ文化が広まり、客人をもてなす茶器や茶道具をつくるために、九州をはじめ西日本各地に陶磁器を生産する技術が発展していきました。
「とびかんな」や「はけめ」などの模様で有名な「小鹿田焼」は、製造・加工・作品制作にも伝統的な用具や技法を用いることから、国無形重要文化財にも登録されています。この企画展では、約300年前に福岡県の小石原焼から伝わってきた経緯などが紹介されています。今ではあまり見かけない磁器から、小鹿田の土の特徴に合わせて陶器に変わっていく様子や…
小鹿田焼開窯に関わったとされる、柳瀬三右衛門(やなせ・さんえもん)の名前が書かれた窯道具など、普段日田ではお目にかかれない、珍しいものがたくさん並んでいます。
また、小鹿田が有名になるきっかけとなった民藝運動の父といわれる柳宗悦(やなぎ・むねよし)、イギリスの陶芸家バーナードリーチが小鹿田を訪れた時の様子も紹介されています。
この2人と小鹿田が巡り合った『奇跡』と、これまでの『軌跡』が、ふんだんに込められた企画展は5月11日まで開催中です。