この丸善商店の創業は、明治39年。
小祝で魚屋と蒲鉾屋を商う事から始まった。

古より食され、文明開化や戦争、環境などの変化に合いながらも今も日本人に愛され続けている食材は、いくつあるのだろう?例えば、かまぼこ。四方を海に囲まれた日本では四季折々に豊かな魚が獲れ、冷凍保存技術がなかった昔の保存方法としてかまぼこが作られたと言われている。平安時代には「蒲鉾」という文字が登場しており、始めは、白身の魚をすり身にし、細い竹に塗りつけて焼いたものがガマ(蒲)の穂や鉾に似ているので、蒲鉾といわれていたという説もある。
この丸善商店の創業は、明治39年。小祝で魚屋と蒲鉾屋を商う事から始まった。中津市は豊かな海に面しており、多くの魚が水揚げされていた。よって、蒲鉾を作る店も多く、繁盛していたようだ。しかし、この百年の間には、戦争や環境の変化、そして何よりも人々の食文化や嗜好が変わり、魚の消費量が落ちてしまった。中津市内に10数件あった蒲鉾屋も今では半減している。この丸善商店も、百年と長い歴史の中で、移り行く繁華街とともに京町、殿町と移転していったようだ。現在は4代目が多彩な蒲鉾やてんぷらを殿町で提供している。昨今の魚ばなれ、食生活の変化により厳しい状況だと言われる蒲鉾生産業だが、この店では、「食べる人の気持ちで味と栄養を作ろう」という気持ちを強く持ち、新製品への探求も行っている。中でも特筆すべきが、5代目。カレー店やイタリアンなどの食事処での修行を終え、4代目の元に戻ってきた。一見、あまり関係のない食事処での修行だと思われるかもしれないが、なんと、自社製品を使って、お惣菜を作り始めたのだ。和食から洋食までの数々のお惣菜が、評判を呼んでいる。食べる人の気持ちで作る味が、人々の心と身体に届いているに違いない。

























