野口 健

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到底無理だと言われていた ゴミだらけの富士山を 世界遺産のリストに載せたアルピニスト

平成19年12月15日、中津市立小幡記念図書館で行われた中津市民講座。
エベレストや富士山の清掃活動でも有名なアルピニスト野口健さんが、なぜ清掃活動をするようになったか、そしてその実態を講演された。スマイル独占インタビュー!

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—清掃活動を始めたきっかけを教えて下さい

エベレスト登山中、死の匂いがすると言われる8000mに5日間、閉じ込められたんです。悪天候の中、登る事も降りる事もできない時、ヨーロッパ隊がゴミを拾ってリュックに入れていたんですね。
登山って空気が薄くて当たり前のこともできない。 体重も15〜16キロもおちる程過酷な登山中は、ゴミ拾いをするような状況じゃないんですよ。
山って綺麗なイメージがあると思うんですが、実際、山には登山中に使用したボンベや食べ物のゴミがたくさん捨てられているんです。
エベレストには英語やフランス語が書かれたゴミより、日本でしか話されない日本語が書かれたゴミが多くて愕然としたんですよ。
で、帰国後の登頂できなかったという記者会見でゴミの事をぽろっと話したら、清掃登山をする事になってしまったんですよ。(苦笑)

—野口さんのパワーの源って何ですか?

現場で感じるものとシンポジウムなどで感じる温度差がすごくあるので、現場の事をちゃんと伝えなきゃという点ですね。
例えば、地球温暖化ということを言葉で会議し、温暖化をなんとかしなきゃいけないというデータがだされ、それはそれで正しいんですが、でも、例えば氷河湖がいつ決壊してもおかしくない状況におびえながら暮らす村がいくつもあって、その村人は引越すこともできない緊迫した状況というのが現実のものなんです。
エベレストのふもとの村々などでは、「みんなで努力していきましょうという言葉はもういいんだ」と言われます。
彼らは、具体的にどんな事ができるのかを知りたいわけで、僕はそんな現場の事も知っているので、ちゃんと伝えていかなければいけないんです。

—地球温暖化対策で私達ができる事は何ですか?

清掃活動は山に限らないんですよ。富士山だけを綺麗にすればいいって事ではなくて、あれもこれもとかかえると何もできなくなるので、自分の身の回りの気づいた事から始める。
僕にとってはそれが富士山だったって事です。それも、コツコツとするしかないですね。
ゴミ拾いは地味なんです。みんな大きな事をやりたがりますが、地味な事を楽しくやる事ですよね。人を集めたり、楽しみながら続けていくことです。そしてまわりを巻き込むことですよね。
地味な清掃活動ですが、世界遺産に入る事はないと言われていた富士山が綺麗になってリストに入ったのはうれしかったですね。

のぐち けん

野口 健

野口 健

アルピニスト。 偶然、書店で見つけた故・植村直己氏の著書「青春を山に賭けて」に感銘を受け、登山を始める。 1999年エベレストの登頂に成功、10年の歳月をかけ7大陸の最高峰最年少登頂記録を25歳で樹立する。その後、エベレストのゴミ問題解決のため、4年連続で世界各国の人たちと清掃登山に尽力。 2001年、環境問題を担っていく人材の必要性を感じ、小・中学生を対象とした「野口健環境学校」を開校。 現在、環境行政の不備の象徴である富士山を変えることで日本全国の国立公園をはじめとした自然保護の新たな枠組みが伝播すると、日々精力的に活動中。
(08/2月号smile掲載)

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